"Songbook3" 石若駿

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本作の1枚めでも記載してありますが、石若駿のやってることはひと通りチェックしておこうという意識がありまして、本作も(普段ほぼ聴かない)ボーカルものであることは承知のうえで嬉々として買ってきています。
が、最近の拡散具合におじけづいているところもありまして、ミニマルを素にしたバンド  "東京塩麹" (https://www.amazon.co.jp/dp/B0721SMNQ4/) とか、和楽器とコラボレーションしている "INNOCENCE" (https://www.amazon.co.jp/dp/B0721SMNQ4/) とかまでは追いつけていないんですが、そろそろそんな状況でも良いくらいに才能が拡散発散しているということで、喜ばしいところです。

そんな中、ライフワーク的にリリースされている自作曲集であるsongbookは、石若の本質が出ている気がするので、もうしばらく聴いてみようと思っています。
過去の2作は以下の通り。
 "SongBook" http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64021298.html
 "SongBook2" http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64343657.html

このsongbookシリーズも3作続くと、自身のイメージを体現してくれるようメンツも増え、組み合わせも微妙にコントロールするようになっていることが感じられる。
それでも、その根幹をなすのが角銅真実の声であることは間違いなく、彼女抜きでのsongbookシリーズはありえないってことは、しっかり感じられる。

そんな本作のクレジットは以下の通り。
石若駿(Ds)
角銅真実(Vo:2-5)、ermhoi(Vo:1,6)、Sara Rector(Vo:7)

Niran Dasika(Tp)、西田修大(G)
Marty Holoubek(B:2,5)、渡辺翔太(Syn:2)
Gideon Jukes(Tuba:1)、佐藤采香(Euphonium:1)、佐藤芳恵(Bcl:4)
須川崇志(B:7)、吉本章紘(Ts:7)、中島あきは(As:7)

演奏曲は以下の通り。オリジナルなので、タイトルの付け方の妙があるのかどうか..。
1.OldfriendzII
2.おこのみやき
3.New Waltz
4.つづくよ
5.Song of New year's day
6.Rest
7.SSTC

ユーフォニウム、チューバとのほのぼのとした音色の管が通奏的になることで、雰囲気がとても和らぐ1曲め。
Marty Holoubekによる高速フレーズのベースのイントロから牧歌的な歌、渡辺翔太のシンセサイザー乱れ打ちと、6分程度の演奏だが、雰囲気の変化が楽しい2曲め。
佐藤芳恵のバスクラの柔らかい音を伴奏に、4連で下がるフレーズが続く歌が独特の雰囲気を醸す4曲め。

典型的4拍子のリズムを叩くドラムのピアノトリオをバックに歌う掠れ声に、逆再生のオルガンの音が通奏的に入ることと、中間部のピアノソロ(は石若演奏?)が良い味を出している5曲め。ここでのMarty Holoubekのベースがほぼバッキングだが格好良い。
バロック調と言ってしまいたいようなストイックな雰囲気を感じさせるピアノだけが伴奏に入った6曲め。

加工した2声のボーカルが印象的で、後半のサックスの掛け合いが格好良い7曲め

全体を何度となく聴いていて、印象に残ったのは、ユーフォニウム、バスクラとエッジ感の弱いサウンドが持ち味の音を使い、ドラム、ギターの音色を60年代ぽくすることで、ほんわかとした雰囲気になるよう作り込んでいるところでそんな作風が個性になっている。

ベストは、7曲めにします。

"Songbook3" 石若駿(https://www.amazon.co.jp/dp/B07HBV6QPC/)

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