Christian Mcbride "Christian Mcbride's New Jawn"

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Christian SandsとUlysses Owens Jr.とのトリオでの活動が続けられていました。
その近作2つが下記。
 "Out Here"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62158319.html)
 "Live at The Village Vanguard"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63436384.html)

が、Christian Sandsが独立したことで、ピアノレスの(和音が弾ける楽器を廃した)新しいユニットでの活動を開始したというのが本作。ということのようです。
和音が弾ける楽器を廃したということで、ピアノもギターもなしで、管楽器2本とのカルテット。

そんなメンツは、Marcus Stricklandは、リーダー作は全部買いしている好きなサックス奏者。
Josh Evansはリーダー作は聴いていないが、"Live at Smalls"の数作に入っているので聴いています。

Christian Mcbride(B)、Josh Evans(Tp)、Marcus Strickland(Ts,Bcl)、Nasheet Waits(Ds)

メンバー4人がそれぞれ2曲ずつのオリジナルを持ち寄り、Wayne ShorterのWeather Reportの名曲で全部で、9曲。
01 Walkin' Funny
02 Ke-Kelli Sketch
03 Ballad of Ernie Washington
04 The Middle Man
05 Pier One Import
06 Kush
07 Seek The Source
08 John Day
09 Sightseeing

2管それぞれが、相手の音のないところを狙って音を入れてきて、ユニゾンにもアンサンブルにもならないどころか、ときに重なると不協和音を聴かせるくらいに合わせてこないサウンドの1曲め。
冒頭からサックスソロ、トランペットソロと続くトリオでの演奏が引き継がれる前半から、即興的な後半へとなだれ込む2曲め。
5曲めとか7曲めでは、癖のあるテーマをきっちりとユニゾンで聴かせる格好良さ、はたまた8曲めのようにしっかりアレンジされたアンサンブルを聴かせ、とピアノがいない分2管の挙動のバリエーションが多く、聴き始めての数回はそんなところに耳が向いていたが、そのやりとりがどこへ行くか、どう同調しどう反目していくかが、非常におもしろく、それだけ楽しんでてもしばらく聴き飽きないくらいのクオリティを持っている。

が、そんな2管の関係性の機微を曲毎に楽しむのが本作の真骨頂ではなく、普通に聴いていれば曲の冒頭をはじめ要所でがっつりと聴かせるアルコ弾きの印象的なサウンドと、骨太にゴリゴリとフレーズを刻んでくる低音の魅力を先に感じるべきで、さすがにChristian Mcbrideの奏でるベース、それだけの力は持っている。
そして、アクセント的な打音と前ノリな煽りを入れてくるドラムの良い仕事も映える。

前述の通り、ピアノ、ギター等和音を奏でられる楽器を排除した編成で2管の自由度が格段に上がっており、そんな空間を縦横無尽に使った演奏の魅力、楽しさがしっかりと感じられる。
最後は、Weather Reportの名曲Sightseeingをキレ味良い演奏で聴かせて締めくくり。

ベストは、4曲めでしょう。

Christian Mcbride "Christian Mcbride's New Jawn"(https://www.amazon.co.jp/dp/B07HG74P6J/)

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