Bill Stewart "Band Menu"

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Bill Stewartの新作は、Walter Smith IIIを擁したトリオ作。
前作は、Seamus Blakeの入ったカルテットだったので、実力のあるサックス奏者との演奏が続いているということになります。
もっとも、参加作はバラエティに富んでいて、Miki Yamanakaのデビュー作"Miki"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64689341.html)から、最近ではJohn Scofield, Peter Bernsteinのリーダー作で多く名前を見ます(自blog調べ)

そんな前作を含めて過去には以下の3枚のリーダー作を紹介しています。
 "Think Before You Think"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a60358582.html)
 "Ramshackle Serenade"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62850204.html)
 "Space Squid"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63584982.html)

が、たしか前作もそうだったがCDを積極的にリリースしておらず、日本での流通もそう多くないため入手に苦労した記憶があります。
この盤もcdbabyに発注することで入手していますが、それでも入手したいメンツではあります。
そのメンツは、盤石とも言えそうな3人。なかなかこの3人の演奏ってのも聴けるもんじゃありません。
Bill Stewart(Ds)、Walter Smith III(Ts)、Larry Grenadier(B)

演奏曲は、Bill EvansのRe: Person I Knew、
Walter Smith IIIのApolloと、残りはBill Stewartのオリジナルで全部で9曲。

1 Band Menu
2 F U Donald
3 Re: Person I Knew
4 Good Goat
5 Hair and Teeth
6 Invocation
7 Modren
8 Apollo
9 Think Before You Think

いくつかの短めのモチーフ的なフレーズがテーマを成しているような感じのストイックでダークな曲調が大半を占める。
テンポ感は感じられるが基本的には延々とフリーインプロビゼーションが続いているような印象で、そのテンポは若干の速度差はあるがおおかたがミディアムテンポといえるくらいのもの。

Walter Smith IIIの骨太なサウンドがごりごりとしたサックスを延々と吹き続ける。
ただ、フリーインプロビゼーションといっても、フリージャズ的な絶叫系なサウンドは出てこず、淡々とフレーズを重ねていく。
Larry Grenadierの重く響く渋いサウンドが重厚感を醸す。なんとも味わい深いベースサウンド。
Wolfgang Muthspiel, Brad Mehldau等々そうそうたる面々とレギュラーグループを組む逸材のその巧さが映える。
そして、Bill Stewartの自由闊達なドラムが、キレの良い音をバシバシと打音を散りばめながら、全体を引き締めていく。

ベストは、最後の曲にします。

Bill Stewart "Band Menu"(https://diskunion.net/jazz/ct/detail/1007818709)

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