"A Set of Originals" Spike Wilner

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ここのところ、リリース頻度が緩慢になってきているうえに、国内でのデリバリも心許ない状況にある、"Live at Smalls"シリーズではありますが、引き続き買えるものは買ってます。Smallsでのライブに限る。Mezzrowでのライブは除外した。

全貌を紹介しているサイト(http://live-at-smalls.blog.jp/)を運営してますが、ここに一覧を掲載して、購入して聴いているものはひと通り紹介してあります。

本作は、"Live at Smalls"レーベルでありながら"Live at Smalls"がタイトルにならない数少ない作品。(というかsmallsでのライブでもない)
リーダーがレーベルオーナーで、メンバーについて、The Smalls Live All Starsと冠されているくらいなので、"Live at Smalls"レーベルの集大成的な扱いで、もしかしたらこれで完結なのか?ともいぶかったが、そんなことはなく今も新作が作られているようです。

The Smalls Live All Starsの面々は以下の通り。
Spike Wilner(P)、Joel Frahm(Ts)、Ryan Kisor(Tp)、Tyler Mitchell(B)、Anthony Pinciotti(Ds)

演奏曲は、1曲を除いてSpike Wilnerのオリジナルです。
1.Prelude
2.Iceberg Slim
3.Upasaka
4.Trick Baby
5.The 10th Street Rag
6.A Stitch In Time (Saves 5)
7.La Tendresse
8.Sasquatch
9.Righty-O!

中低速くらいの程よいテンポのハードバップな、4ビート、6/8拍子、ラテン調の軽妙なリズムを中心とした曲構成。
5曲めがピアノソロ。

ほとんどの曲がピアノから入って、リーダーであるSpike Wilnerのピアノが主導権を握っているのは明らかで、フロントの2名も暴れまわるというよりも、ピアノの支配下での立ち位置を確立しているような品の良い演奏をしている。

Anthony Pinciottiの、シンバルを主体にしながら温度感高く、軽やかに叩きながらそれでいて確実に全体を煽ってくるドラム
Tyler Mitchellの、ウオーキング主体で振る舞いは派手ではないがなぜか目立つ軽快にビートを刻むベース
歯切れの良いサウンドでありながらあまり強い打鍵でなく、ころころとよく歌うようなフレーズで程よくファンキーな雰囲気を醸し出すSpike Wilnerのピアノ

そこはかとなくいぶし銀的なサウンドという語を想起させるのは、Smalls Liveレーベルらしいのかもしれない。


ベストは、8曲めにします。

"A Set of Originals" Spike Wilner (https://diskunion.net/jazz/ct/detail/1007558253)

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