"VOX" Pedro Martins

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Pedro Martinsは、Kurt Rosenwinkelの"Caipi"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64023568.html)で共同プロデュースをしているという情報で知った人。
Kurt Rosenwinkelを惹きつけるだけの、演奏テクニックと音楽のセンスを持った若い逸材ということです。
このアルバムが出た直後には、Kurt RosenwinkelのHeartcore Recordsレーベルに所属してアルバムがリリースされる情報が出ていたので、首を長くして待ってました。
が、なかなかリリース情報がでず。
海外での販売情報が出たのは見つけたが国内での販売情報がなかなか出ないで、散々待たされた挙句のようやくのリリース。

このアルバムの前に、1作アルバムが出てまして、それもしっかり聴いています。
 "Simbiose"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64501885.html)

メンツは、Antonio Loureiro, Frederico Heliodoroと、"Caipi"のライブバンド(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64098260.html)の面々を中心に据えたもので、ゲストも豪華に、Brad Mehldau, Chris Potterと贅沢なもの。

Pedro Martins(G,Vo,P,Key,B,Ds)
Kurt Rosenwinkel(G,Vo:1,8,9,12)、Antonio Loureiro(Ds,Vo)、Frederico Heliodoro(B,Vo)、Kyle Crane(Ds)
Brad Mehldau(P:11)、Chris Potter(Ts:2)

演奏曲は、以下の通り。すべてPedro Martinsのオリジナルで良いと思います。
01 Esqueca (feat. Kurt Rosenwinkel)
02 Faces (feat. Chris Potter)
03 Nova Maneira
04 K7 dreams
05 Horizonte
06 Vida
07 B Side
08 Nao Me Diga Nao (feat. Kurt Rosenwinkel)
09 Verdade (feat. Kurt Rosenwinkel)
10 Venus 13
11 Origem (feat. Brad Mehldau)
12 Sertao Profundo (feat. Kurt Rosenwinkel)
13 Quem eu sou

Kurt Rosenwinkelの現段階での最新作であるCaipiの深化系のサウンドと言った趣。
Caipiでも多く聴けた独特な和声を駆使した節回し、あの声音によるボーカル。
これらはCaipiリリース時から、Pedro Martinsの影響と言われていたが、それらが本作でも特徴の大きな一つとして、通奏低音化している。

他にもボイスハーモニーを多用していることと、Caipi要素を多分に感じながら、そこにポップス要素を多めに配分し、ジャズ以外のその他の要素をいろいろと加味したような、そんな印象。
ただし、ジャズな感じはだいぶ減じられている印象で、Pedro Martinsの嗜好するサウンドのなかのジャズ濃度の低さを感じさせる。

4曲で客演しているKurt は、いかにもKurt Rosenwinkelといったサウンドを披露しているが、他の曲ではそんなサウンドは聴こえてこないので、似たギタースタイルと言われているPedro Martinsであるが、あまりKurt Rosenwinkelを意識したギターを弾いていないことがうかがえる。

2曲めでChris Potterが客演しているが、ここではブチ切れ系を程よく抑えた朗々と伸びやかなソロを繰り広げる。

11曲めは、Brad Mehldauが客演していて、art of the trio の初期に、Brad Mehldauだなぁと感じたような微妙なズレ感のある音使いでのソロを聴かせ、こういうのも萌える。

ベストは12曲めにしましょう


"VOX" Pedro Martins (https://www.amazon.com/dp/B07MC9KT1L)

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