Gwilym Simcock "Near & Now"

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Pat Methenyが、Lyle Mays以来のレギュラーバンドにキーボーディストを擁したツアーを行ったのが2016年だったか。
このバンドの実況録音は、下記アルバムで聴いているのですが
 "Dusseldorf 2018" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64733106.html)
その後、このバンドでの活動は停滞しているようで、2019年初頭から活動を開始しているJames Francies(P,Kbd)、Nate Smith(Ds)との"SIDE EYE"というバンドのほうに軸足が動いているのも気になるところ。

下記文章で妄想したことは、妄想で終わってしまう可能性が高くなりましたw
 Pat Metheny Group(妄想)考(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63844782.html)

本作は、そんなGwilym Simcockのリーダー作で、Pat MethenyがLyle Maysの後任(というのはおこがましいかも)として選んだピアニストの演奏は聴いておこうという意志のもと購入

ソロピアノ集です。
Gwilym Simcock(P)

演奏曲は以下の通り。2つの組曲と、その中間に3曲を配した全部で9曲。
タイトルは、影響を受けたミュージシャンの名前を冠しているんでしょうか??
1.Beautiful Is Our Moment for Billy Childs Part I
2.Beautiful Is Our Moment for Billy Childs Part II
3.Beautiful Is Our Moment for Billy Childs Part III
4.Before The Elegant Hour for Brad Mehldau
5.You’re My You for Les Chisnall
6.Inveraray Air for Russell Ferrante
7.Many Worlds Away for Egberto Gismonti Part I
8.Many Worlds Away for Egberto Gismonti Part II
9.Many Worlds Away for Egberto Gismonti Part III

Pat Methenyが、Lyle Maysの後任ピアニストとして選んだという(非常に厳しい)視点で見ていくと、Lyle Maysに通じるような美しい響きに裏打ちされた美旋律を基本に持ち合わせた上に、現代ジャズピアノらしい、絶妙に外す音を入れ込むことで新しい響きを注入しているようなスタイルとは言えそう。
ただ、美旋律の部分に、まだ満足できるまでには行ききらない何か(具体的に言葉になんかできない)が多少なりとも残っていたのではないかと感じられる(具体的に言葉になんかできない、強いて言えば、音の響き(残響?)へのこだわりみたいな部分じゃないかと勝手に思っている。)部分があったりして、そこがPat Methenyとしても全面的に片腕として起用、多用するには至らないことになっているんじゃないか?
と、偉そうなことを書いているが、完全に感覚的な当てずっぽうに他ならず。

Pat Metheny的視点を除外すれば、程よくノリの良いピアノソロは、Keith Jarrett ほどバタ臭くなく、さりとてBill Evans ほど耽美でもない、
新しい響きも感じさせながらそれが全面を覆っているわけではなく、派手ではないが凡庸には収まらない、そんなピアノと言えるんじゃないかと。

ベストは、8曲めにしましょう。

Gwilym Simcock "Near & Now"(https://www.amazon.co.jp/dp/B07MWR5T1M/)

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